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【追悼・安倍晋三元総理/ご寄稿文⑲】山田宏氏、榊原智氏、志摩淑子氏、清水ともみ氏

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機関誌『日本の息吹』特別号【安倍晋三元総理追悼号】にご寄稿頂いた追悼文を
順次ご紹介させて頂きます。

◆「特別号」(1冊600円 送料実費)をご希望の方は、下記お問合せフォームよりお申込み下さい。
 お問合せフォーム→ https://www.nipponkaigi.org/inquiry/ 

 ※必須項目と郵便番号・住所、内容欄に「特別号希望」とご入力下さい。
  「折り返し、ご入金方法をご案内します(先払い)」
  「お知りになった切っ掛け」「ご年齢」もお知らせ頂けますならば幸いです。

※ご入会頂いた皆様には【初回号として】「特別号」をご送付します。
 入会申込みはこちらから→https://www.nipponkaigi.org/member

山田宏 参議院議員

「種」となり、「魂」の継承を

 世界が「戦国期」に突入し、その最前線に立つわが国の最も危機的で重要な時期に、余人をもって替え難い最も大事な国家リーダーを、日本国民は突然失ってしまった。平成26(2014)年12月の総選挙で、9月に発足したばかりの平沼赳夫、石原慎太郎両リーダー率いる「次世代の党」の私の落選が決まった翌日、安倍総理から携帯に電話があった。「山田さん、本当に残念だったね。でももう一度自民党に戻って来て『日本を取り戻す』ため私を支えてほしい。」と。

 もう国会議員はやめようと決意していたが、安倍総理の強い愛国憂国の熱意にほだされ、私は同じ志でこの6年間行動を共にして来た。茫然自失の私の心にポッカリ空いた大きな穴は、今になっても埋まらない。葬儀の日、安倍昭恵夫人が立派なご挨拶をされた。

 「本人なりの(人生の)春夏秋冬を過ごして、最後冬を迎えた。種をいっぱい撒いているので、それが芽吹くことでしょう」と。郷土の山口県の英雄・吉田松陰先生の「留魂録」の一節からの引用だ。処刑の日の朝、松陰先生はこの一節の前に有名な辞世の句を遺している。

 「身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂」残された私たちの使命は、それぞれが安倍元総理の「種」となり、安倍元総理の「魂」を継承していくことだ。吉田松陰先生の後に多くの志士たちが立ち上がり続いていったように。

 今回の参議院選挙で「改憲勢力」が、衆参ともに憲法改正の発議ができる3分の2を超え、歴史的な環境が与えられた。安倍元総理が作ってくれた。まずは次の国政選挙までに憲法改正のための国民投票を実現し、安倍元総理の魂にお応えしたい。

榊原智 産経新聞論説委員長

 日本と世界の秩序を守った宰相を悼む

 安倍晋三元首相ほど世界から悼まれた政治家が日本にいただろうか。凶徒の銃弾に斃れるや、日本からはもちろん、世界中から哀悼の意が寄せられた。日本にありがちな「状況対応型の首相」ではなかった。日本や世界にとって望ましい、公正な国際秩序を守ろうと能動的に働き、世界のリーダーと目された。日本の国際的地位向上に大きく寄与した。

 提唱した「自由で開かれたインド太平洋」構想は欧米諸国でも採用された。覇権主義的な中国を多国間で抑止するのに不可欠な戦略概念だったからである。

 戦後の首相経験者で国葬で送られたのは吉田茂氏だけだった。講和で独立を実現し、日米安全保障条約締結で東西冷戦下の日本が自由陣営の国として繁栄する基盤をつくった。

 安倍元首相の治績はそれに並ぶ。政治生命をかけて実現した、集団的自衛権の限定行使に道を開く安保関連法の制定は、日米同盟の抑止力を格段に高め、「米中新冷戦」という厳しい新時代を日本が生き抜く基盤になった。世界的視野を持てば、海外の要人も参列する国葬がふさわしい。

 国柄の守護者でもあった。皇位の男系(父系)継承を守り抜こうと努めた意義は極めて大きい。拉致問題にどの政治家よりも熱心に取り組んだのは国民を大切に思ったからだ。

 安倍元首相は、日本と世界のあるべき秩序、平和を守り抜こうと努めた希代の宰相だった。心から哀悼の誠を捧げたい。

志摩淑子 株式会社朝日写真ニュース社会長・日本女性の会会長

 ご生前の英姿を偲びつつ

 七月八日のあの衝撃│これほどに深い悲しみはありません。今となっては、ただご生前の英姿を偲ぶばかりです。

 八年八か月に及ぶ日本憲政史上、安倍氏は最も長く首相をお務めになられ、「アベノミクス」という世界的にも優れた経済政策を推進し、日本国の安全のための「国家安全保障会議(NSC)」も設立されました。「自由で開かれたインド太平洋構想」は、日本の首相の提案として、アメリカの大統領から初めて納得を得たケースであったと伺いました。インドのモディ首相の信頼も深めたことは、言うまでもありません。

 憲法改正への懸命な取り組み、東日本大震災復興の指揮、拉致被害者救済へのご尽力等々、日本国の為に本当に心血を注いでくださいました。弊会(日本女性の会)も、安倍元総理が掲げられました「憲法改正実現」に賛同致し、「憲法おしゃべりカフェ」を全国で展開し啓発に努めてまいりましたが、御遺志に報いるべく、今後も憲法改正実現の活動に、全国の役員・会員一同、一層励んでまいらねばと存じております。

 安倍元総理のこれまでの幾多のご功績に心からの感謝を捧げ、世界中からの弔意に敬意を表しつつ、ご冥福をお祈りいたします。誠にありがとうございました。

清水ともみ 漫画家

 日本のお父さん

 大きな防波堤が壊されました。激しい外波から、時に傷つきながらも、内側から壊そうとする人まで含めて必死で守っていた。

 安倍晋三さんが日本国の総理であることが、私はずっと誇らしかった。

 海外の人は、総理大臣を通じて日本を見ます。本当の意味の強さから来る優しさ、控え目でありながら豪胆、品の良さ、深い教養、ユーモアなど数えきれない素養がある唯一無二の存在。何よりもその根底に、正しい国家観と実行する高い能力があった。

 だからこそ、両脇を掴まれ、捏造で仕事を邪魔され続けました。あの笑顔の裏に抱えていたのは死闘だったと想像に難くない。

 2017年のインド訪問の歓待ぶりを問われ、「これは私が歓迎されたのではなく、日本が歓迎されていたのです」との答えに、お人柄が滲みます。

 拉致問題、ウイグル問題、日の当たらない時代から、粘り強く率先して取り組まれたお姿を見れば、安倍総理がどこを見てお仕事をされてきたのか、政治家というのは本来何をするべきかを無言で教えてくれています。

 国とは家族のようなもの。安倍総理は、日本のお父さんだったと思います。どうやったら家族を守れるかの一心。その背中を見て育った私たち。成すべきこと、行くべき道を示してくれていました。選択肢はない。

 どうかこれからは、天から見守っていて下さい。いつかあちらに行った時、少しでも褒めていただけますように、生きて参ります。拙作を読んでいただいたことは人生の誉れです。


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