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【追悼・安倍晋三元総理/ご寄稿文⑯】佐藤正久氏、阿比留瑠比氏、いしゐのぞむ氏、伊勢雅臣氏

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機関誌『日本の息吹』特別号【安倍晋三元総理追悼号】にご寄稿頂いた追悼文を
順次ご紹介させて頂きます。

◆「特別号」(1冊600円 送料実費)をご希望の方は、下記お問合せフォームよりお申込み下さい。
 お問合せフォーム→ https://www.nipponkaigi.org/inquiry/ 

 ※必須項目と郵便番号・住所、内容欄に「特別号希望」とご入力下さい。
  「折り返し、ご入金方法をご案内します(先払い)」
  「お知りになった切っ掛け」「ご年齢」もお知らせ頂けますならば幸いです。

※ご入会頂いた皆様には【初回号として】「特別号」をご送付します。
 入会申込みはこちらから→https://www.nipponkaigi.org/member

佐藤正久 参議院議員

 安倍元総理の撒いた種を芽吹かせる

 安倍晋三元総理は、日本を思い、日本のために尽力された偉大な政治家でした。突然の悲報に接し、悲しみはあまりに大きく言葉になりません。

 安倍元総理のご尽力により、戦後停滞していた日本の安全保障は大きく前進しました。防衛庁の「省」格上げ、国家安全保障戦略と国家安全保障局の設立、特定秘密保護法と平和安全法制の成立、集団的自衛権の行使容認の閣議決定など、その功績には枚挙に暇がありません。まさに「日本を取り戻す」ため尽力されたのです。

 日本を思う気持ちは、戦歿者に対する哀悼の意の深さにも表れています。平成二十五年の硫黄島訪問においては、滑走路の下にも多数の遺骨が埋もれている可能性がありレーダーで地中探査しているとの話を聞くと、安倍元総理は滑走路に膝をつき両の手を合わせて英霊の冥福を祈ってらっしゃいました。これほどまで英霊に対して敬意を表された政治家はいたでしょうか。その姿に、元自衛官の政治家として感銘を受けました。

 安倍元総理は、沢山の種を撒いてくれました。その種を芽吹かせるのが我々の責務でしょう。

 安倍先生、どうかご安心ください。我々は、安倍先生のご遺志を受け継ぎ、日本を強く、世界で誇れる国になるよう汗をかいて参ります。安倍先生、本当にありがとうございました。心からご冥福をお祈り致します。

阿比留瑠比 産経新聞論説委員兼政治部編集委員

 奇跡のような人だった

 小泉純一郎政権の後半に、産経新聞が運営していたサイト「イザ!」の記者ブログに「小泉さんは安倍さん(晋三元首相)の前座だと思う」と書いたことがある。当時はまだ小泉氏の人気も評価も高かった頃で、ほとんど反響はなかったが、間近で見ていた安倍氏は、それだけ他の政治家とは一頭地を抜く存在だった。

 その安倍氏が持病の難病、潰瘍性大腸炎の悪化で第一次政権を退き、やがて悪夢の民主党政権が誕生した。そして、史上最低といわれた鳩山由紀夫、史上最悪と評された菅直人両元首相といずれも短命の政権を終え、野田佳彦元首相が政権を担っていた頃である。

 当時、私は経団連のベテラン職員と定期的に会い、意見交換をしていた。あるとき、職員から「一番期待する政治家は誰か」と問われたので安倍氏の名前を挙げると、相手はそんなバカなと言わんばかりの冷たい反応だった。世間の評価は厳しいものがあった。

 実際、平成二十四年九月の再起をかけた自民党総裁選でも、当初は六人の候補の中で「三番手か四番手」だとみられていた。

 だが、安倍氏は「再チャレンジ」を自ら実践してみせる。完治しない難病を患い、いったんは政権を手放してひ弱なおぼっちゃんと嘲笑されながら、日本の首相に再び上り詰め、憲政史上最長の政権を打ち立てた。失敗しても立ち上がれると示し、どれだけの苦しむ人々を励ましたことか。

 奇跡のような人だったと思う。

いしゐのぞむ 長崎純心大學准教授

 安倍元首相が始めた内閣官房の尖閣歴史戦

 故安倍元首相の功績のうち、尖閣歴史戦について語る人は少ない。

 野田内閣の時、チャイナ楊潔●外相はASEM(アジア歐洲會議)の席上で「尖閣を六百年間管轄してゐる」と豪語し、その映像がテレビで日本の茶の間を驚かせた。私の危惧が現實となり、チャイナのウソ宣傳が成功した瞬間であった。この席で野田首相は全く反駁できなかったが、そもそも日本政府は史料を無視してゐるのだから反駁できない。

 怒った安倍氏は第二次安倍内閣で内閣官房に領土室を設置し、尖閣歴史戦を開始した。私は領土室委託事業の特別研究員となり、六百年は單なるウソであることを委員會などで繰り返し述べる機會を得た。安倍氏のお蔭である。

 六百年と稱する航路簿『順風相送』には、ポルトガル人による長崎開港(西暦十六世紀後半)等が言及されてゐるため四百年に過ぎず、且つ正卷イスラム航法と、附卷東洋航法とに分かれ、尖閣は附卷に附記された別情報である(『日本の息吹』平成二十五年七月號)。

 その半世紀前の尖閣最古の陳侃『使琉球録』は琉球に關する書であるから、尖閣は最初から琉球附屬島嶼であり、後の『順風相送』は琉球附屬の派生史料である。更に最近私はそこから驚くべき新事實を掘り出したが別の機會に讓らう。

 ところが領土室附設の虎ノ門展示館では、西暦十五世紀からチャイナ史料があるとして六百年のウソを受け容れてゐる。安倍氏の遺志は役人の前に無力であることを嘆かざるを得ない。(正仮名遣は原文のまま)

伊勢雅臣 公益社団法人国民文化研究会理事・筑波大学日本語日本文化学類非常勤講師

 教育再生の志を受け継ごう

 安倍元総理のご遺志の一つとして受け継ぎたいと考えているのは、「教育再生」です。平成十八年、第一次安倍政権のもとで教育基本法がおよそ六十年ぶりに改定されました。山谷えり子総理大臣補佐官(教育再生担当、当時)を中心として、「戦後五大長時間審議」の一つと言われるほど長い審議を重ねて成立しました。

 《個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。》(改正教育基本法・前文より、傍線伊勢)

 傍線部は、占領下の昭和22年に制定された旧教育基本法から大きく変わった点です。「公共の精神」とは国家共同体の中での横糸であり、「伝統の継承」は先人から受け継がれた縦糸です。我々はこの縦糸、横糸によって生かされているのであり、そのような国民として育てられなければならない、という深い人間観が窺われます。

 これに沿って、歴史教育の学習指導要領も「日本国民としての自覚、我が国の歴史に対する愛情」を目標とするなど、正常化が進みました。

しかし、この教育再生の流れは、偏向した歴史教科書によって、いまだ堰き止められています。この流れを受け継いで、教育再生を完遂し、我が国のこどもたちが活き活きと成長できるようにすることが、安倍元総理のご遺志を果たす道だと考えています。


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