日本人ならば、現憲法の改正の必要性を誰もがが感じているはずである。
憲法解釈だけで軍隊である自衛隊を軍隊と言わず、近隣諸国の善意で国を保持使用としている日本は、現に領土を犯さんとする近隣諸国に悩まされている。憲法を改正するための、提議をする最低ラインは衆議院の2/3である301人以上の衆議院議員と参議院の162議員の賛意がないと憲法の修正を発議出来ない。その上で、国民投票に入り50%の賛意があって初めて憲法の修正ができる。これだけの要件を整えるのはとても難しい。
自民党は結党以来、憲法の修正をしたいと党是に揚げているにも係わらず、現在までそれを達成出来ずにいる。日本のように自由に発言出来る国はこの地球上に多くない。また日本人のように一つの国語でまとまり、ほぼ全員が最低9年以上の教育を受けている国はない。又、日本に住む日本人の民度は世界一高い。そのような条件の中で絶対多数と言われる66.7%以上の国会議員の賛同を得るのは、殆ど不可能に近い。
1947年に出来た憲法は、形式上国会をとおり、天皇の名のもとに発布されている。ただアメリカのGHQによる占領統治下であり、言論統制が敷かれ、20万人以上の政治家を含む各界を支えていたリーダーたちが公職追放の名のもとに、社会的地位を剥奪された状態での憲法の発布であった。戦勝国が押し付けた憲法は、国際条約上はまったく無効である。しかしながら、1952年に日本が主権を回復したときにも、この96条がガンとそびえ、一字一句変えることは不可能であった。そしてその状態が今日まで続いている。
日本の政治は、そのために憲法を変えられずに、戦後の61年間を、憲法解釈を大幅に、その時の都合により、便法を使って通り抜けてきた。国会議員は日本を嘘で固めた国にしてしまった。アメリカ占領軍が日本の統治を容易にするための内規であり、日本の弱体化を狙った条文となっている。たった2週間で作りあげた憲法であるが、日本はそれを後生大事に守ってきた。守れば守るほど、ウソの上塗りを続けねばならない。今もその哀れな姿を若い世代に見せ続け、日本国の背骨に値する日本らしい憲法を作る作業さえできないでいる。終戦直後の何もない時も、世界でもっとも豊な国となった今も同じ憲法であって良い訳がない。
日本国を立ち直らせるには、まず日本国らしい歴史と文化を織り込んだ日本独自の憲法を作らねばならない。日本国として一番大事なことは、国民と領土を自分の手で守ることを高らかに謳いあげることだ。近隣のならず者国家の善意により、日本は生きているのか、日本国民ならばまずこれを考えねばならない。今の時代の人たちもこれから日本を守っていく人たちも、みんなが納得出来る日本国憲法を作ることが、国家としての誇りを取り戻す第一歩であると思う。
戦後68年が経つ今も、アメリカの軍隊が日本の国土を守ってくれています。どこの国が守っているのか、日本を敗戦に叩き込んだアメリカ軍が守っているのです。どこから見てもそれはおかしい。沖縄問題も、一歩下がって考えてみよう。未だに日本は戦争をしている国ですか。一人前の一人立ちした国なんでしょうか。日本はすばらしい国です。世界一平和で安心な国です。経済力も充分あります。日本の文化と歴史は世界中の垂涎の的です。学問的にも芸術的にもどこにも引けをとりません。が、一人前ではありません。それは今の憲法が邪魔しているからです。
本当に良い国とは、愛国心を持った若い人たちが、自分の国に対し大きな誇りを持つことです。自分のことは自分でする独立国家でなければ、一人前ではありません。このように考えることが、良い国を作る基となります。今こそ日本は立ち上がる時だとブラジルの日系人は感じております。
(ブラジル日本会議 理事長 小森広)(25/07/01)