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【追悼・安倍晋三元総理/ご寄稿文⑫】義家弘介氏、桜林美佐氏、佐波優子氏、執行草舟氏

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機関誌『日本の息吹』特別号【安倍晋三元総理追悼号】にご寄稿頂いた追悼文を
順次ご紹介させて頂きます。

◆「特別号」(1冊600円 送料実費)をご希望の方は、下記お問合せフォームよりお申込み下さい。
 お問合せフォーム→ https://www.nipponkaigi.org/inquiry/ 

 ※必須項目と郵便番号・住所、内容欄に「特別号希望」とご入力下さい。
  「折り返し、ご入金方法をご案内します(先払い)」
  「お知りになった切っ掛け」「ご年齢」もお知らせ頂けますならば幸いです。

※ご入会頂いた皆様には【初回号として】「特別号」をご送付します。
 入会申込みはこちらから→https://www.nipponkaigi.org/member

義家弘介 衆議院議員

 日本を取り戻す為の戦い

 今も悔しさと悲しみ、寂寥が心の中で複雑に渦巻いています。安倍元総理を襲った手製の銃は、2発で12個の弾丸を発射し、うち2個の弾丸が安倍元総理の命を奪いました。残り10個の弾丸は現場から90m離れたビルの壁などで発見されています。「無差別殺人」ともいえる凶行だったのです。しかし、元総理以外に被害はなかった。これを「奇跡」と言わずして何というのでしょう。安倍元総理はあの瞬間、無辜の国民の盾となって命を落とされた、ともいえましょう。

 私は、安倍元総理の側近として長く行動を共にしてきましたが、「神がかっている」「天命が降りてきている」と安倍元総理から感じる場面が幾度もありました。

 安倍元総理との最初の出会いは、17年前、神楽坂の料理屋でした。経済人との会食で、政治の話題になったとき、私は、「安倍さんのようなブレない保守政治家が必要です」と主張しました。しばらくすると、女将が私に耳打ちしました、実は安倍先生が別の座敷に来られていて、義家さんにお会いしたいと……。私は中座を申し入れ、安倍さんの座敷にお伺いしました。安倍さんは、私に強く優しく語りかけました、「一緒に日本の教育再生をやりましょう」と。それから1年後、安倍内閣が発足し、「教育再生会議担当室」が設置され、私は室長に任ぜられたのでした。

 そして、今年、安倍さんは、「日本を取り戻す為の本当の戦いはこれからです。一緒に頑張りましょう」と涼やかに、しかし力強く語りかけてくださいました。図らずも遺言となってしまったその言葉を大切に胸に収め、現下の国難と戦っていきます。

桜林美佐 防衛問題研究家

 自衛官が胸を張れる国にしたかった……

 安倍元首相が奈良の橿原という地で、まるで神の国に吸い込まれてしまったかのように命を奪われ、心がざわついたままです。痛恨の極みは、安倍さんが常に尊重していた自衛隊と警察が死に導いてしまったという事実です。

 元自衛官だからといって銃の扱いはもちろん製造などできるわけではなく、自衛隊との関連性を強くにおわせた報道はミスリードでしたが、かといって3年の任期制隊員だからその存在は軽いというわけではありません。3年であれ30年であれ大切な隊員であり、この任期制隊員こそが現在、最も自衛隊に必要な人たちなのです。

 安倍元首相の目指した改憲は、自衛官が退官後に「元自衛官です」と胸を張れるものだったのではないでしょうか。それを思うと悔しさが溢れます。

 自衛隊違憲論を正し、学校でその存在をしっかり教えることが必要だと安倍さんは考えていました。しかし現在は国民の自衛隊に対する感情は大きく変化したのだから今さら憲法に明記する必要はないとも言う人もいます。これに対してはこのように答えていました。

「それはこれまで自衛隊が歯を食いしばって耐え築いてきた信頼のたまもの、こんどは政治の側が責任を果たさなければならない」と。

 では、安倍さんが歯を食いしばって築いてきたことに、こんどはいかに責任を果たしていくのか?安倍さんの功績の受益者である我々は涙を拭い、残された者としてなすべきことをしなければならないようです。

佐波優子 戦後問題ジャーナリスト

 「敷島の大和心を蒔き晋む…」

 安倍晋三元首相のご逝去を悼み、衷心より哀悼の意を表します。安倍首相の蒔かれた種を引き継ぐ私達国民の一人として、どうしても忘れられないものを一つ上げるとすれば、私にとっては、平成二十五年四月二十四日の参院予算委員会での発言です。

 ある野党議員が、閣僚らの靖國神社参拝に中国や韓国が反発していることをどう感じているのかと質問したときのこと。安倍元首相は、「靖國神社に、御英霊に対して、御冥福をお祈りをする。それについて批判をされることに対しては何も痛痒を感じずに、批判されたことに対してそれはおかしいと思われることが私はおかしいと思います」。と答え、更に「私たちの歴史や伝統の上に立った私たちの誇りを守っていくということも私の仕事であります」と仰いました。

 この発言の十数日前、安倍元首相は硫黄島を訪れました。元首相は天山慰霊碑での戦没者追悼式に参列、司令部壕や遺骨収容現場、摺鉢山を視察されました。そして島を飛び立つため救難飛行艇US2に向かい滑走路を歩いている時、安倍元首相は突然、滑走路に跪き、手を合わされました。島内には、滑走路の下にも沢山のご遺骨が眠っておられる。全ての御霊へ心からの追悼の思いを示されたのが安倍元首相でありました。河野元統合幕僚長が伝えるこの姿こそ、安倍元首相の偽らざる衷心からの姿と信じます。

 先人たちの誇りを守ることに全力を尽くした安倍元首相の愛国の種が、日本国に咲き誇ることを願います。

 敷島の 大和心を 蒔き晋(すす)む

  華と啓かん 葦原の種

執行草舟 著述家・実業家

 「正統」に殉じた魂

 令和四年七月八日、我々は日本を支え続けた清らかな「良識」を喪った。言うまでもなく、元総理・安倍晋三のことである。私もまた、多くの日本人と共に、この喪失感に苛まれる日々を送っている。いま日本は、ひとつの歴史的運命の転換点に来たと私は考えている。

 安倍元総理の政治的業績について、私は口を挟む立場にはない。ただ、その政権の日々に、我々国民の一人ひとりに向けられた無垢としか言いようのない、その笑顔の印象が忘れられないのだ。その笑顔は、安倍元総理の「人間生命」の全体から醸し出される真実だった。その笑顔が、強く私の脳裏に焼き付けられている。美しい笑顔は、人間的品格からのみ生み出される。だから、そこから出発した政治思想は、美しいものに決まっているのだ。政治とは所詮、人間が行なうものだからだ。いかなる政策も、人間が行なっている。私はあの人間的温かさを湛えた美しい笑顔の「原点」を信じている。その原点は、歴史的な「正統」が創り上げているものに違いない。

 安倍元総理は、その正統を担い続けて来た人物だと思っている。だから、いかなる時も「洗練」の姿勢を失わなかった。いかなる時にも、日本の「中心軸」を失わなかった。そして、日本人が日本人らしく生きることだけを願い続けていたのだろう。そういう当たり前のことが、正統の持つ真の力なのだ。

 いまはただ、日本の正統のために殉じた、その生命の尊さを偲びたい。その魂の誠を仰ぎたい。


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