Quantcast
Channel: 日本会議
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1414

【追悼・安倍晋三元総理/ご寄稿文⑪】有村治子氏、小柳志乃夫氏、近藤永太郎氏、櫻井よしこ氏

$
0
0

機関誌『日本の息吹』特別号【安倍晋三元総理追悼号】にご寄稿頂いた追悼文を
順次ご紹介させて頂きます。

◆「特別号」(1冊600円 送料実費)をご希望の方は、下記お問合せフォームよりお申込み下さい。
 お問合せフォーム→ https://www.nipponkaigi.org/inquiry/ 

 ※必須項目と郵便番号・住所、内容欄に「特別号希望」とご入力下さい。
  「折り返し、ご入金方法をご案内します(先払い)」
  「お知りになった切っ掛け」「ご年齢」もお知らせ頂けますならば幸いです。

※ご入会頂いた皆様には【初回号として】「特別号」をご送付します。
 入会申込みはこちらから→https://www.nipponkaigi.org/member

有村治子 参議院議員

 宰相として最善の意思決定をするために

 靖國神社の遊就館には、安倍晋三元内閣総理大臣を追悼する一角が設けられています。掲示の中心には、在りし日の安倍総理が、平成21年のみたま祭に際し奉納された揮毫があり、躍動感のある筆で「寂然不動安倍晋三」と書かれています。【煩悩を去って何事にも動じず、心静かで揺るぎない有様】。初めて拝見した瞬間、安倍総理が国会答弁で言及された【木鶏】を思い出しました。

 7年前、全国中継された予算委員会で野党議員が厳しい追及を重ねていた中、総理の口から思わず不規則発言が出てしまい、国会審議が中断した事がありました。後日改めて答弁席に立たれた総理は、「残念ながら未だ木鶏足り得ず。『これを臨むに木鶏に似たり』という考え方で宰相を務め、真摯に向き合っていきたい」と、自らを律して静かに答弁されました。

 「荘子」に登場する木鶏とは、何事にも心が動じず、まるで木彫りの鶏【木鶏】のように微動だにせず、誇示せずとも最強である闘鶏の佇まいを指すようです。「寂然不動」「木鶏」│││これらの言葉を服膺し、自らの生き方とするまで止揚されるトップリーダーの気概に、自ずから頭が下がりました。

 総理は常に、日本の安全と繁栄、尊厳を守るために何をなすべきかを考え、その目的実現のため、時に国論が二分するような難しい政治課題にも立ち向かわれました。その分、舌鋒鋭く切り込んでくる野党や報道、心ない中傷にもひたすら耐え忍ぶ場面が続きました。どんな時にも感情に振り回されず、最善の意思決定をするために心を手入れし、平常心と大局観を磨いて国家国民に尽くされた総理に、閣僚としてお仕えできたことを生涯の誇りとし、総理の御遺志を紡ぐ一員でありたいと存じます。

小柳志乃夫 公益社団法人国民文化研究会理事長

 日本を取り戻すことが世界との交流を豊かに―安倍氏が教えてくれたこと

 兇弾に斃れられた安倍元首相の無念を思ひ、御霊安かれとお祈り申し上げる。

 逝去された後しばらく、各種の報道や過去のビデオなどを見ては、その大きな功績と強い志と、慕はしいお人柄を偲んだ。

 顕著な成果を残した外交については、改めてその厚みを思った。

自由・民主主義・法の支配といった価値観の共有を通した戦略的連携とともに、個別外交では歴史に根差した深い交流が展開された。米国議会演説では、日米激戦の硫黄島の勇者を称へ合ひ、強い共感を得たし、伊勢・志摩サミットでは伊勢神宮を共に参拝して神話につながる日本の国柄を世界に示した。首脳間の率直な交流とともに、互ひの国の歴史に敬意を払ひ、そこに生まれる和解や信頼を基礎に、覇権国家に対峙する同盟関係の強化が進められたやうに思ふ。

 自国への深い愛情が他国の人の心の深みに響く。日本を取り戻すことが世界との交流を豊かにする。このことは安倍元首相の残した大切な教訓である。自虐史観に陥り、国際政治の現実を直視せず、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して我らの安全と生存を保持する」といふ日本国憲法前文の世界に閉ぢこもってゐてはかうした交流はできまい。今回の各国から寄せられる深い弔意は、安倍元首相の国際政治に対する識見の高さとともに、心の交流の真実を示してゐる。

 安倍氏と同様に日本を自ら取り戻し、それを柱に据ゑた政治指導者の志の継承を願ふ。それは同時に我々国民の課題である。(正仮名遣、原文のまま)

近藤永太郎 日本会議近畿地方議員連盟会長(京都府議)

 安倍元総理の御遺志、御功績を基に

 3年ぶりの祇園祭山鉾巡行を間近に控えた令和4年7月8日正午ごろ、京都四条河原町に安倍元総理をお迎えし、参院選の応援演説を行っていただく準備を進めていた私たちのもとに、安倍元総理が凶弾に倒れられたとの報が飛び込み、夕刻には、御快復を願う国民の願いも虚しく、御逝去されました。

 衷心より哀悼の誠を捧げます。

 安倍元総理の御功績は枚挙に暇がありませんが、制定以来60年ぶりに教育基本法を改正し、道徳心、公共心、愛国心など、日本人の心を育むことを明記され、また、防衛庁の「省」への格上げや平和安全法制の成立、国民投票法の制定など、戦後レジームからの脱却に全力を尽くされたことが大変印象に残っております。

 未だ終息の兆しを見せないコロナ禍やロシアのウクライナ侵略など、国難ともいえるこの困難を乗り越えるために、また、品格があり、誇りの持てる「美しい国」を創りあげるためにも、安倍元総理の御活躍を望んでいただけに、民主主義を揺るがすこの度の暴挙にやり場のない怒りを感じます。

 世界が認める偉大な政治家を失った深い悲しみは、簡単には癒えませんが、日本会議近畿地方議員連盟としても微力ながら、安倍元総理の御遺志、御功績を基に、日本人の誇りと、我が国の繁栄・安心の確保に力を尽くしてまいることをお誓い申しあげます。

 結びに当たり、改めまして安倍元総理の御功績に敬意を表しますとともに、御冥福を心からお祈り申し上げます。

櫻井よしこ 公益財団法人国家基本問題研究所理事長

 日本を取り戻すことで日本は強くなれる―安倍元総理の残した課題

 安倍晋三元総理の暗殺で日本にぽっかりと大きな穴があいた。今更ながら、どれほど多くの日本国民がどれほど安倍総理に期待し、頼っていたかを実感する。

 安倍総理は「日本を取り戻すこと」を目指した。総理はそれを戦後レジームからの脱却と言った。今、その言葉は安全保障を軸に論じられているが、元々の目標は言葉どおり、本来の美しき善き日本の姿を取り戻すことだった。そうした社会で倫理観と道徳心を身につけて育った日本人はおしなべて皆立派な日本人だった。この伝統の限りない重要性を訴えたのが安倍総理だった。

 経済も国防も、国民が祖国の未来を信じ、応分の責任を果たす気持ちになれば日本は強くなれる。そのとき初めて日本は国際社会の荒波を乗り超えられる。だからこそ一緒に日本を取り戻そうと、総理は説いた。

 米国とも中国とも異なる日本の価値観を信頼した安倍総理は少なからぬ国際戦略の枠組みも実現した。自由で開かれたインド・太平洋戦略は安倍総理の提言であり、それは今や米欧諸国の大戦略となった。中国をどのようにして抑止していくか、制御していくか。その戦略論において国際社会は安倍総理の価値観を基軸にした外交に敬意を払い、その死に深い哀悼を表している。

 いま大事なことは日本の誇る政治家、安倍総理の残した課題を引き継ぐことだ。それが残された私たちの役割だと思う。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1414

Trending Articles