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【追悼・安倍晋三元総理/ご寄稿文⑧】髙鳥修一氏、河野克俊氏、北野幸伯氏、北林康司氏

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機関誌『日本の息吹』特別号【安倍晋三元総理追悼号】にご寄稿頂いた追悼文を
順次ご紹介させて頂きます。

◆「特別号」(1冊600円 送料実費)をご希望の方は、下記お問合せフォームよりお申込み下さい。
 お問合せフォーム→ https://www.nipponkaigi.org/inquiry/ 

 ※必須項目と郵便番号・住所、内容欄に「特別号希望」とご入力下さい。
  「折り返し、ご入金方法をご案内します(先払い)」
  「お知りになった切っ掛け」「ご年齢」もお知らせ頂けますならば幸いです。

※ご入会頂いた皆様には【初回号として】「特別号」をご送付します。
 入会申込みはこちらから→https://www.nipponkaigi.org/member

髙鳥修一 衆議院議員

 日本を護り抜いた英雄

 私は政治を志すにあたり安倍先生を師と仰ぎ20年間行動をともにして参りました。6月23日、上越市と糸魚川市での参議院選街頭演説でお会いしたのが最後になるとは、驚きと果てしない悲しみです。

 かつて江沢民主席が来日した際に日本は歴史認識を改めなければならないという趣旨の発言があったと思います。これに対して安倍先生は、「中国には中国の立場があるだろうが、日本には日本の立場がある」と毅然として仰った。そんなことを堂々と言える政治家が日本にいることに感銘を受け、安倍先生の門を叩きました。(私の父は田中角栄先生の門下で11期衆議院議員を務めたので通常は、平成研に入るべきところを安倍先生に憧れて清和研に入会。)

 間近で拝見してきてハッキリと言えることが有ります。それは、安倍先生は裏表がなく誰に対しても態度を変えない、威張らない人だということ。誰にでも優しく声をかけ平等に気配りされる方でした。安倍先生は、独裁者だの地球の裏側まで行って戦争する国にするだの、野党による事実無根のレッテル貼りと反日勢力からの罵詈雑言にもたじろがず、日本を護り抜いた英雄です。

 そして「誰にも真似の出来ない最期を遂げた」こと。結果、多くの若い人たちを目覚めさせたことは献花・記帳に訪れた人たちの表情を見れば分かります。突然の理不尽な別れではあるけれど安倍先生は人生の最後までこぶしを振り上げて私たちを鼓舞して下さったと思います。安倍先生のご遺志を継いでとは簡単に言えませんが、安倍先生のご遺志とは何かを常に考えて行動して参ります。どうか天から我々をそして日本をお護り下さい。本当に有難うございました。合掌

河野克俊 前統合幕僚長

 自衛隊最高指揮官としての安倍総理

 海上幕僚長時代の平成25年4月、総理に返り咲いて間もない安倍総理を硫黄島で迎えた時の印象は鮮烈だった。視察を終えて航空機までお見送りする際、安倍総理が突然滑走路の上にひざまずかれ、手を合わせて、頭を垂れられたのである。私としても全く予期していない行動だった。私はどうしていいか分からず、総理をただ黙って見つめるほかなかった。

 硫黄島は日米の激戦地であり、いたるところに日米将兵のご遺骨が埋まっている。米軍は硫黄島を日本空襲の基地として使用するため、占領後は突貫工事で滑走路を整備した。滑走路の下には日米の将兵のご遺骨が眠っているのである。そのことを総理はご存じだった。報道陣は、次の視察地である父島に先行しており、パフォーマンスでも何でもない。その姿を見て「この方は心底、戦歿者に対する哀悼の念が深い方だ」と痛感した。自衛官として、そんな最高指揮官の姿に感銘を受けないはずはない。

 また、安倍総理は真のシビリアン・コントロールを確立されようとした方だった。シビリアン・コントロールとは、軍に対する政治統制のことだが、戦後のシビリアン・コントロールの考え方の主流は、戦前、戦中の経験から自衛隊を極力政治から遠ざけることだった。それを安倍総理は自衛隊を政治に近づけることによって真のシビリアン・コントロールを確立されようとされた。安倍総理は、真の誇らしい自衛隊の最高指揮官だった。

北野幸伯 国際問題アナリスト

 日本は、偉大な戦略家を失った

 私にとって、安倍先生は、本当に誇らしい総理でした。2012年11月14日、中国はロシアと韓国に「反日統一共同戦線創設」を提案しました。領土問題を抱えた3国が一体化して、「日本の領土要求を断念させよう」というのです。日本に断念させるべき領土には、尖閣だけでなく「全沖縄」も含まれていました。

 さらに、中国は、「米国も反日統一共同戦線に引き入れる」としていました。当時私は、日本の未来に恐怖していました。しかし、安倍先生は、数年間で日米、日露、日韓関係を改善させ、中国の反日戦略を無力化したのです。

 また、先生は2016年8月、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱されました。現在この対中大戦略は、日本、米国、欧州、インド、豪州などの共通戦略になっています。

 日本の首相が提唱した戦略が、民主主義陣営の共通大戦略になっている。前代未聞のできごとです。

 令和4年7月8日、日本は、偉大な戦略家を失いました。これから私たちは、先生ぬきで、日本国を守っていくことになります。独裁勢力の横暴を見るに、「大丈夫だろうか」と不安になります。

 そこで、安倍先生にお願いしたいことがあるのです。天国に行かれても、これまでと変わらず、日本国を守り導いてください。

 先生が、「まかせてください」とにっこり微笑まれているのが見えます。

 安倍先生、本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願い申し上げます。

北林康司 日本会議東北地方議員連盟会長(秋田県議)

 「今より後の世をいかにせむ」

 「安倍元総理が撃たれる」の一報に、何故?どうして?その後、言葉が出てきませんでした。虚しく死亡が現実のものと判った時、大きな悲鳴と同時に涙がとめどなく流れ止みませんでした。

 去る六月十三日、神政連国会議員懇談会に地方議連もご案内いただいた折、安倍晋三会長から「遠い所ありがとう」と声をかけていただき、安倍会長を囲んで秋田県神社庁の皆さんと写真を撮っていただいたばかりでしたのに…

 私が自民党全国幹事長連絡協議会会長に選出されて以降は、親しくしていただき、私は言いたい事を言わせてもらいましたが、優しく包んでくださいました。今思っても冷汗が出て来ます。

 五月に逝去された葛西敬之JR東海名誉会長を偲んで安倍元総理と櫻井よしこ先生が月刊誌『WiLL』八月号で対談しています。櫻井先生が、葛西さんは「安倍さんは歴史観、国家観が素晴らしい。安倍さんがいる限り、日本は方向性を誤らない」と、ベタ惚れでした、と言っています。

 安倍元総理も葛西さんについて「ここで靖國参拝を止めれば、日本は簡単に折れる国だと思われてしまう。譲れないものは譲れない」と言っていたことが印象的だったと語っています。

 また、安倍元総理は、伊藤博文暗殺時、山縣有朋が詠んだ和歌「語り合ひ盡しし人は先立ちぬ今より後の世をいかにせむ」を葛西さんに贈りたいとも言っていますが、この歌を今、多くの国民が安倍元総理に贈りたい気持ちでしょう。急いで走って逝かれた安倍元総理。とても残念で悔しいです。安らかにお眠り下さい。合掌


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